不動産の売り・買いは、何時もどちらかに偏っている気がする。買いたい人が大勢いても売りたい人が少なくては、成約になかなか結び着かないし、反対の場合でも同じ事。上手くバランスがとれている時は、「まずない」のではないだろうか。
夏休みに入って人の出入りが極端に少なく感じる。暑さゆえの外出控えかとも思うが、それにしても問い合わせも少ないしご来店客も少ない。毎年「今年は、例年以上の暑さ」と言われ続け、それを理由にお客様が来ないのは暑さの所為と楽な方向に考えてしまう。そんな訳はないと、思ったりの自問自答の今日この頃だ。
そんな中、売却のご相談に見えた佐藤様(仮名)は、高島平団地に初めからお住まいの高齢の方。そろそろ自分が動けるうちに身の回りの整理をしたいと思って来店なさった。佐藤様がどのように、これからを過ごされるのか過ごしたいのか、をお聞きする事が、いつも私の一番先にする仕事。ゆっくりお聞きする事にした。
現在、暑い夏場は避暑地に避難しているとの事。暑さが収まったら又東京で過ごす事が多いそうだ。長年住み慣れた住宅は、暮らして来た歴史の長さが荷物の多さにつながる。思い切って断舎利を考えているようだ。でもなかなか自分では処分出来ない(高齢で身体がきつくなってきたと言う以前に、思い出を処分する方法が自分では決断できない)。他人の力を借りて処分する人が増えていのも分かる気がする。
荷物の整理にもう一つ問題がある。体は一つだが、自宅以外にも複数の住宅を所有している。しかもお子さんがいないご夫婦である。元気なうちに遣っておかなくてはいけないのは、相続の問題を整理しておく事。夫婦共々兄弟姉妹が大勢いる佐藤様は、「公正証書をお互い配偶者に対して残すべき。」だと理解しているが、先延ばしになっている。早くする事をお勧めした。「一日でも早く!!」である。
渡部