久しぶりにお聞きする声でした。「タイの宮崎です。覚えていてくれたかしら」と電話の向こうは、暑い国タイ。もちろん忘れておりません。まだお会いした事は有りませんが、国際電話のやり取りは、何度もさせて頂きました。宮崎様(仮名)は、私共でお取引をしてくださった方のご紹介で、電話を掛けてくださっております。
宮崎様は、定年退職を機にタイで暮らすことになさりました。比較的治安もよく日本人が沢山暮らしていることが安心できるからと言っておられました。宮崎様の電話の内容は、日本に残してきた住宅のことです。日本に戻るつもりは余りなかったようですが、住宅を処分してまでタイに行くつもりも無かったようです。
さらに年金代わりになればと、ファミリー用住宅をキャッシュで購入して、賃貸住宅の運用を考え実行しました。現在は、25万円でお貸ししているそうです。預金しておくよりは、年間300万円の賃貸収入のほうが遥かに良いとご満足でした。しかしタイに行ってから、残してきた我が家が年々古くなるのが気になりだし、思い切って自宅を処分したそうです。「日本に帰ることになったら賃貸で貸している住宅に戻るからまあ良いか」と安易な気持ちで自宅を手放しました。
■気軽に貸してみたけれど・・・
宮崎様の悩みはこの賃貸住宅のことです。あと1年もしたら一度日本に戻るつもりで仲介業者に「私が帰るから今度の更新はしない」と伝えました。宮崎様は「はいそうですか」と言ってもらえると思ったようです。しかし宮崎様の取り交わしている賃貸借契約は「一般賃貸借契約」であって「定期借家契約」ではありませんでした。更新が当たり前にされてどうしても出て行って欲しいのなら、それ相応の支払いが発生します。
宮崎様の言い分で行くと、「定期借家契約などというものの説明が無かった。あればそれを選んだのに」とご立腹でしたが、やはり自己責任です。今回は更新に応じて、次に今の賃借人が出て行ったらご自分で住むか、「定期借家契約」にして期限を定めた契約をしてくださいとお話しました。宮崎様のように海外にお住まいになる時には、行かれる前にご相談ください。転ばぬ先の杖ですね。
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