近頃、電車に乗る機会がめっきり少なくなった、ほとんど車に乗っての移動。コロナ禍前には電車に乗る機会も多かった為、電車の吊広告にも目が行くもので今もあるかは分からないけれど、以前目についた広告で気になったのが

「共有持分買い取ります」。

家族親族間で共有している土地やら家屋の共有持分の事を言っていたのだと思う。以前、私の所にも「共有者が多くて売却できない。自分の持分だけでもお金に代えたい。」との相談を受けたことがあった。兄弟姉妹5人で相続した50坪未満の土地だったが、もう次の相続が発生していて相談を受けた時には、相続人が10人以上になっていた。空地のままでは固定資産税も払えないので駐車場にしており、収入は等分していたとの事。

当時、自分の持分だけの売買は難しいと答えた。しかしあれから20年以上経っている。共有持分だけでも売買出来たなら助かる人もいるだろうと、広告を半信半疑で眺めていた。

そんな折「弁護士の先生を紹介して欲しい」と駆け込んできた方がいる。慌てている佐藤様(仮名)のお話を聞いてみると、家族で所有している更地があって、自分の共有持分を売買する契約を締結したとの事。価格に不満が無ければそれも有りかなと思ったが、契約書も待っておらず価格も分からない。ただとてつもなく安い価格のようだった。

持分は二分の一。聞いていた価格とはずいぶん違っていたようで、やはり相場とかけ離れていたのだ。本人も良く分からないまま契約したことを後悔している様子。我社の顧問弁護士の先生にSOSをして間に入ってもらう事にした。先生達もすぐに対応してくれたので、佐藤様も少しは安心した様子。これからどうなるか見守っていきたいと思う。

渡部