成約コメントにも書いたが、囲繞地(イニョウチ)は厄介だ。地面には公道とか私道とかは、書いてあるわけではない。ちょっと見ただけでは、道路に接道しているかどうか分からない場合も多々ある。囲繞地だけでなく、厄介なのが隣地との測量における不成立もこの土地では起きてしまった。隣地は近頃問題になっている空家。所有者が不明、相続が発生しているが相続登記がされていなかった。配偶者の所在も不明で、子供がいなかった再婚同士の夫婦である。書いているだけで眩暈がする。
これと似たような土地が日本にはゴロゴロしているらしい。「相続登記をしなくても、固定資産税の納付書は届くから払っている」と言って、まだ登記をされていない方もいると思う。ややこしくなる前に所有権の移転(相続登記)はしておく事を勧めたい。
相続における争続の相談にみえたお客様の多くが、相続税を払うか払わないかのギリギリのお客様。「沢山の財産が無いから、うちはもめない」と言われる方がいるが、それは違うかもしれない。不動産の仲介業をしていると、見なくても良い争い事まで見えてしまう事がある。嬉しい売買契約が圧倒的に多いが、中には嫌な面が見える場合もある。
我が兄も子供のいない夫婦で、しかも兄が癌を患ってしまった。普段から丈夫で入院などしたことが無い兄は、「財産はすべて連れあいに残す」と言って遺言書を作った。遺留分の無い「兄弟姉妹」にとって遺言書を作成してくれてつくづく良かったと思う。兄の財産は、兄と義姉のもの。それと配偶者の親の財産に口は出すべからず。悲しいかな、争続の原因にもなる事が多いからである。
渡部
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