帰宅後駐車場に着いたばかりの時に、一本の電話が鳴った。知らない電話番号だが、仕事上どの電話にも出ることにしている。「渡部さんの携帯ですか?OOです。火事です」思わず「えっ!」と言ったまますぐには言葉が出てこなかった。
「どこが?」「私の真下の家から火が出ました。大きな爆発音です。ドアが切られました」何とも要領を得ない会話が続いた。何故ドアが切られたのか、どんな切られ方をしたのか。皆目分からない。「今どうしているの?」「近所に避難しています。明日になったら家に戻ります」との事。とりあえず無事らしいことが分かってホッとした。電話の主は、当社で賃貸管理をしている部屋の入居者様、賃借人様からの電話だった。
翌日火災保険の担当者と火事現場のマンションに行った。ドアは、賃借人と連絡が取れないので消防の人が、ドアの前面を大きく三角形に切り取り部屋に入ったらしい。住民は、いち早く非難していて留守。人命第一に考えての事で、誰にも文句が言えない。まして失火となれば、階下に請求もできない。
頼みの綱は、大家さんの火災保険。だが大家さんの保険は更新していなかった。
ドアは、所有者の共有物である。管理会社からはその後連絡はまだない。ドアをすっかり取り換えるにしても勝手にできない。管理会社の担当者からは、マンションの共有物に掛けてある火災保険ないし損害保険がどこまで適用になるか分からないと言われ、報告待ちである。マンションだから借家人賠償保険に借家人が入っていれば良しと思っている人が多いようだ。転ばぬ先の杖で火災保険の確認を是非してほしいと、強く思っている。
渡部