先日も登記について書いたと思うが、今回も登記について少し書いてみたい。相続が発生してもすぐに登記をされない場合も多々ある。登記は必ずするものとも限らない。しかし何代もさかのぼっての所有権移転登記は、簡単に事が進まないと思っておいた方が良い。そのため相続登記は、その都度早めに済ませておくのが望ましいと思っている。
相続をする時に、税金を主体に考えての相続登記は、往々にして次に発生する相続(両親のいずれかが残っている場合の二次相続など)の税金にのみ重きを置いてしまうことがある。次の相続時にも相続税を支払わないで済む方法で相続してしまう。配偶者が相続をしてしまうと、また相続が起きたら税金だけでなく登記費用も掛かる。だから、配偶者を飛ばして子に相続させるのだ。
それも子が一人なら有りだが、今回の相談者、夫を亡くされた佐藤様(仮名)には、3人のお子様がいる。佐藤様が、相続したのは現金だけとの事。ご主人は、賃貸住宅も所有しておられた。ご主人の名義だったが、相続登記は3人のお子様達がした。佐藤様は、いずれ自分で相続したら売却するつもりでいたが、周りのアドバイスに従って子に相続させたとの事。自宅も同居している子の名義にしたらしい。
さて、賃貸住宅は3人の共有名義になってこの先売らずに持ち続けたら・・・
3人にもやがて相続が起きるだろう。その時のことも考えたアドバイスだったのだろうか?持ち続けるのなら単独名義が好ましいと思う。共有名義は、売却を考えた不動産のみにするのが良いのではないだろうか。裾広がりに相続人が増えて結局売却もできない“負の財産”になったケースも見てきた。くれぐれも目先にだけ気を取られず、長い目で見た相続にすべきだと思う。
渡部