近頃相続の話を耳にすることが多い。先日も、「亡くなって何年にもなるが相続の手続きが済んでいないがどうしたら良いか」と、相談を受けた。相続税の支払い対象にならないとなると急いでやる必要も感じない方が多いのも事実だ。

今になって必要に迫られ、相続登記をしたという方も多いのではないだろうか。ただ相続登記をする時には、次に発生する相続登記を考えること。また、「相続する物件の使い道をどうするか」この事に気を配って登記をしてほしい。次の相続を「争続」にしない為にも、注意すべきことである。

今回ご相談の方も、ご主人が亡くなられたが、お子さんが一人なので相続の揉め事にはならないと思うと言っておられた。「相続財産も自宅だけなので、登記費用ももったいないし、子供に相続させた方が楽かな」と、第一案は「子供が一人で相続する」。でも「子供の名前になった家に一人で住むのも落ち着かないな」と、第二案は「法定相続にして2人で相続する」。しかしである。「換金したい時一人なら自分だけの意志で出来る。仮にホームに行く時も自分で売れるのが良い」と、第三案は「配偶者単独で登記する」

色々と考えた末に第三案を選択した相談者であった。自分の思い込みだけで話を進めるとややこしくなる。「子供は分かってくれている」と思い込まず、子供とも遺産分割協議書を作る必要があるのでしっかりと話し合いをしての登記を進めるべきだ。今後は、弊社が取り扱っている地域のマンションにお住まいの方も、ますます高齢になり、相続の相談ももっと増えてくるだろう。

くれぐれも、売る気のない住宅を共有で相続するのだけは避けてほしい。共有名義で相続するのは、売却を予定しての事だけにしてほしい。マンションに限らず土地についてもしかり。住み続ける人がいるのなら単独名義での相続登記をお薦めしたい。

渡部