2月は、逃げる。3月は、去る。というらしい。本当にそんな気分に毎日なっている。相変わらず寒さは厳しいが、日の出が早くなり、日の入りが遅くなったと体で感じるこの頃である。
年々増加する相続物件の売却相談。高島平団地に限らず日本中で増加している相続物件の空き家。居住者が高齢になって、自宅以外の施設に入居のため空き室化しているところも多い。当社に相談にお見えになる相続人様は、大半が地元にお住いの方。地方にお住いの方は少ない。
そんな数少ないお客様が、相談にお電話を下さったのは約3年ほど前。佐藤様(仮名)は、叔母の配偶者(血が繋がっていない)いわゆる義理の叔父さんの面倒を見ることになった。(叔母様夫婦は子供がいない)法定相続人にはなれない立場の甥御さんである。地方からそんなに頻繁に面倒を見るために上京できないので空き室にするのが心配だった佐藤様。そうこうしているうちに叔父さんが認知症になってしまった。売却するのも儘ならなくなってしまったのである。
あれから年に何度か状況報告のように連絡しあっていたが、昨年の暮れに叔父様が亡くなったとのこと。認知症が進む前に佐藤様が引き取り地方のホームに入っていたそうで、やはり東京の住宅は売却するとのこと。佐藤様は、法定相続人でないので、公正証書の遺言を勧めていたが遺贈されたか心配であった。
突然ご来店なさった佐藤様に、自分の名義になったとご報告を受けた。いろいろあったが、売却のお手伝いがやっと出来そうだ。初対面の佐藤様からご依頼を頂け売却のお手伝いができるのは本当に幸せなこと。少しのご縁を大切にお付き合いしてきたからだと思っている。
渡部