此の所凄く忙しかった。その忙しさゆえに自分でも嫌になる位、人としての優しさを忘れていた気がする。お客様は私を頼って相談に来て下さる、有難い事である。しかし自分に余裕が無い時に、果たして全力でお客様に向き合っていたのかと自分に問うてみると、お客様がお帰りになった後落ち込んでいる自分がいた。
忙しいという字は、心を亡くすと書くと、先輩から教えられた。随分と昔の事ではある。言ってはいけない言葉の一つなんだと改めて思う。心を亡くした状態では、お客様のお役にたてない。分かっているが人間の性、聖人君子にはなれない。悲しい事と思う。
そんな状態の時に相談見えた佐藤様ご夫妻(仮名)は、最後の住み替えを考えて三田線沿線の高島平にいらした。そんな大切な相談を自分の都合で疎かにしてはいけないと気持ちを切り替え、全力で相談に応じた。佐藤様は自分が高島平に住んだら、どういう生活になるかを予測し「シルバーパスを有効に使える特典を最大限に生かして元気なうちは動き回りたい。しかも姉妹が住む埼玉県に近い所が希望。交通費って馬鹿になりませんからシルバーパスは有難い。」とおっしゃっていた。
高島平周辺を何度も足を運び歩きまわった。高齢者が住み替えを決断するには色々と心配事がありますが、それを一つひとつクリアしての住宅選びです。決して無理な押し付けは出来ません。長年住み慣れた土地を後にする佐藤様ご夫妻の頑張りには頭が下がった。忙しいなどと弱音を吐く事はやめにしないといけないと心から思い、少しでもお客様の役に立てるようになるには、身も心も健全でないとダメだと知った、ここ何週間である。
佐藤様の住宅選びも最終段階に入った。喜んで頂けるよう全力でお手伝いをさせて頂く事に、今喜びを感じている。
渡部
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