(2016年7月21日号)
バブル期に比べると住宅の価格は低いと思うが、ここ最近の傾向では、一時期よりも高値安定と思う。一般ユーザー同士の売買と並んで増えてきているのが、再販業者による買い取り物件の「内装済み住宅販売」。
以前は、買い取り業者さんが買い取って再販出来る価格での買い取りが難しかったと思う。購入した時のことを考えると、買い取り業者に言われる価格で買い取ってもらうには、勿体なくて決断出来かねた人が多かった。しかし相続物件になると話は変わってくる。購入の価格よりも、早く手離れして資金が手元に入ってくるのが、相続人にとっては有難い。いくらで買ったかは、問題ではない。
要するに、自分に何時までに幾ら入ってくるのかが、一番気になること。始めから自分で出していない購入資金は、勘定に入れていない。相続物件が増えた事で業者さんの買い取り物件が増え、内装済み住宅が増えて、価格が徐々に高値安定になっている気がする。内装済み住宅には、自分達なら思いつかない「リフォーム」の仕方を提示している所も多々ある。それが売りの一つの魅力となっているのも確かである。
がしかし、自分の好みでリフォームして暮らしたい人たちにとっては、「内装済み」住宅は、なんだか中途半端。そこそこの価格で購入して自分好みのリフォームがしたい人には、何もしていない住宅が魅力と思う。かと言って、何時出てくるかわからない売り住宅を待ち続けるのも一苦労。売りに出された住宅を必ず手に入れられるとも限らない。このように悩ましい状況を経験された人も居るはず。
本当に100%納得の住宅は、なかなかないと思っていた方が良い。巡り合った住宅を、そのまま住むにせよリフォームするにせよ、自分たち家族にとって(若しくは自分にとって)縁が有った住宅に巡り合えたと思って暮らして頂けたら、住宅も私たち仲介業者も本望だ。是非幸せに過ごして欲しいものだ。