10年前の中古住宅の売買市場と凄く様変わりしている事は、リノベーション住宅の多くなった事。それだけ買い取り業者さんが増え競争して住宅を買い漁っている事。以前から買い取り業者さんは沢山いたとは思うが、実際に業者さんに売る売主さんが少なかった。
業者さんに売る場合は、売主さんが「早く換金したい」「煩わしい事に係りたく無い」「次に住まわれる人と係わりたくない」等々売主さん側の気持ちが最優先。しかし以前は、急いでないから正当な相場で売買したい」と考えられた売主さんが多くいた。なぜ今は業者さんに売る人が増え得たのだろうか。それは、相続物件の増加に伴い正比例してきた気がする。
相続人さんは、住宅に住んでいない場合が多く相場は何となく分かるが、(インターネットで簡単に調べられる)早く売却して早く事無きにしたい。空き家になっている住宅の管理も面倒である。という思いが強いようだ。売却価格よりも早く手離れする事を選ばれる方が増えたと思う。以前売りに出ていた住宅が、綺麗に仕上がって、再び市場に出てくる事になる。これも時代と言えるのだろう。大手仲介業者さんも買い取りを全面的にうたっての広告が目立ってきている。
仲介業だけで仕事をしていると、はたしてリノベーション住宅ばかりが市場にあふれて、それだけでの売買仲介で良いのだろうか。売主さん買主さんにとってその選択肢だけで良いのだろうか。相場で売りたいと思っている売主さん、自分好みでリフォームをしたい買主さんは、もう居ないのだろうか?自問自答してしまう事が、増えた。お客様への役立ちについて、なにが一番なのか、悩む事も多い昨今である。
夏場から住宅探しのご相談を受けている佐藤様(仮名)は、自分の好みに内装出来たらと首を長くして待っているが、なかなか希望している住宅が売りに出てこない。住宅は、本当に縁ものと思うが今年中には、望みを叶えて差し上げたい。思いは強いが、売主さんにお客様が待っている事が伝わらない。一件一件回って歩きたい衝動に駆られている昨今である。